真珠の種類・基礎知識
真珠は人類が初めて手にした宝石と言われています。日本でも約5,500年前の縄文時代の遺跡から天然真珠が発見されています。19世紀には世界各地で天然真珠の採取が行われましたが、1907年に日本で真珠の養殖法が確立されると天然真珠産業は衰退していきました。現在は主に愛媛県、三重県、長崎県産の「あこや真珠」、仏領ポリネシア産の「黒蝶真珠」、オーストラリア、インドネシア、フィリピン産の「白蝶真珠」などが自然の海で産出される真珠の主流になっています。
あこや貝を使って養殖される真珠です。明治時代の日本で本格的な生産が始まり、世界中に輸出されています。サイズは主に3~10mm。色は白からロゼ、クリーム、グレー、黄色、黒まで多種多様。奥深い輝きと透明感を兼ね備えた美しさが特長です。
黒蝶貝から養殖される真珠です。主に仏領のタヒチやフィジーで養殖されていますが、日本の石垣島は世界で最初に黒蝶真珠が養殖された場所として知られています。代表的なブラック系、グリーン系の他にグレー系、レッド系などバラエティあふれる美しい色を産み出します。
白蝶貝という大きな貝から産出される真珠です。30cm以上になることもある貝から採れる真珠のサイズは9~20mm超。珠はシルバーリップとゴールドリップの2色系があります。オーストラリア、インドネシアやフィリピンなどで多く採れます。
真珠の品質
真珠の美しさの6 つの要素に分けられます。「マキ」、「テリ」、「キズ」、「色」、「サイズ」、「形」です。この6 要素は独立したものではなく、互いに影響しあい真珠の品質を形づくります。一般的に真円に近い方が高価値ですが、例えば美しい涙型の真珠では、真円よりも高価格で取引されることもあります。さらに、ネックレスの場合はどれだけ品質が揃っているかの度合いを表す「連相」も品質基準に加わります。
核の周りの真珠層の厚み。厚ければよいというものではなく、きめ細かな結晶が規則正しく積み重なったものが品質の良い真珠層とされています。
真珠の輝き、または反射する光です。テリが良いと明るく光が反射し、鏡のような状態になります。テリが悪いと透明感がなくぼんやりとした印象になります。
真珠表面にある突起やくぼみです。天然キズや加工中にできたキズなどは、どの真珠にも多少はありますが、そのキズが目立たない方が高品質です。
母貝の種類によって生まれる色は様々で、さらに季節や時間天候などでも真珠の色は違って見えます。6 要素の中で個人の好みがもっとも顕著に現れます。
大きな真珠は価値が高いとされていますが、近年、養殖技術の進歩など大きなサイズが増えたことなどにより、その定説は崩れてきています。
真珠には丸、縦長、横長、涙形など様々な形があります。一般的には真円が価値が高いとされていますが、個性的な形の真珠に高い価格がつくこともあります。